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第5回深川市民公開講座が開催されました。(2月8日) | 拓殖大学北海道短期大学

第5回深川市民公開講座が開催されました。(2月8日)

2019年度 深川市民公開講座

2月8日(土)10:00~11:30深川市中央公民館で本年度最後の深川市民公開講座が開催されました。
この日の講師は、本学農学ビジネス学科地域振興ビジネスコースの藤田守准教授で演題は「言語について考える」です。寒い中、深川市民の方約20名が集まりました。
 
講義の前半は、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議において2018(平成 30)年12月25日に決定された、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の中から、日本社会の一員として外国人を受け入れるという姿勢や、第二言語としての日本語習得の重要性のほか、外国人と円滑にコミュニケーションできる環境の整備の必要性に簡単な説明がありました。そして、北海道における高度外国人材の確保に関する取り組みや、高度外国人材の採用において企業が求める日本語力のほか、外国人観光客の受け入れ拡充に関する社会の動きなど、外国人をめぐる北海道内の最近のついて紹介されました。
 講義の後半は、こうした社会動向を踏まえ、中国語、英語などと比較しながら、外国人が学ぶ日本語とはという観点からの説明がありました。コミュニケーションに必要な言語の音声の中でも、アクセントやイントネーションなどの韻律的特徴は重要です。例えば、日本語は音の高低と音の長短で、中国語は一つの音の中で高くなったり低くなったりする声調により言葉の意味を区別するのが特徴です。これに関連し、日本語は音を長くすることで、中国語は音を短くすることで、同じ発音の言葉でも意味が異なります。日本語では、橋(は:低・し:高)、箸(は:高、し:低)など、中国語では東西(dongxi)で、方角を意味する東西は(長・長)、物を意味する東西は(長・短)があります。また、日本語は子音(C)と母音(V)が連続している(例、ストライク:sutoraiku=CVCVCVVCV)が、英語(例:strike=CCCVC)のほか、中国語などの声調言語でも英語と同じく子音(C)と母音(V)連続することが多くありません。こうしたことから、日本人が英語の聞き取りや発音を難しいと感じるのと同じように、外国人にも日本語の聞き取りや発音が難しく感じられるのです。この他、日本語の母音の発音における口の開き方がは、例えば、中国語の母音の発音時と比べてはるかに小さいことから、日本人にとっては中国語の音声はにぎやかな印象を持つこともあります。
 そして、日本語を勉強する外国人の母語の特徴に少しでも理解を深めることは、外国人との相互理解が深まるだけでなく、円滑な社会生活の営みにもつながっていき、最終的には日本社会全体のためになると講演を締められました。
参加した市民の方は今まで知らなかった言語の特徴を理解し、その多様性に感激しているようでした。

令和2年度の深川市民公開講座はこれで終了ですが、令和2年度も本学講師の方々の面白い、ためになる市民公開講座を計画していく予定です。

藤田准教授の丁寧な説明
藤田准教授の丁寧な説明
言語の違いに頷くばかりです
言語の違いに頷くばかりです

深川市ホームページ→ 深川市民公開講座のお知らせ