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学長メッセージ | 拓殖大学北海道短期大学

学長メッセージ

拓殖大学北海道短期大学

学長 田中 英彦

プロフィール

田中 英彦(たなか ひでひこ)
農学博士
1957(昭和32)年生まれ(66歳)
埼玉県出身

令和6年度の始まりにあたり

 

 令和6年度が始まり2週間が経ちました。本学では、4月1日より農学ビジネス学科および保育学科の新2年生の授業が始まりました。また、4月10日には入学式、11日にはオリエンテーションを実施し、12日からは1年生の授業も始まりました。毎年、フレッシュな新入生と出会う度に、それぞれが個性を活かして成長して欲しいという、教育職ならではの喜びと責任を感じています。学生の皆さんは、本学の緑豊かな広大なキャンパスでのびのびと学び、有意義な大学生活を送って下さい。

 昨年度は本学にとって激動の1年でした。18歳人口の減少による大学全入時代の到来により本学志願者が激減するなか、農学ビジネス学科のコース制の廃止と入学定員の減員、そして令和7年度保育学科の学生募集停止という苦渋の決断をいたしました。保育学科の新入生の皆さんに対しては、必要な単位と資格を取得して希望の進路に進めるよう、これまでの教育の質を低下させることなく教育・指導していきますので、ご安心ください。また、農学ビジネス学科は、そのカリキュラムを再編し、皆さん全員が農業の基本を座学と実習で学び、それを基盤として皆さんの関心や進路に応じて、「農」、「食」、「地域」の各科目を自由に選択できるようにいたしました。

 私は、本学には次のとおり多くの魅力があると実感しています。

① ロシアのウクライナ侵攻による世界の穀物価格高騰や円安の影響などにより、我が国の食品価格が上昇し、国民の食と農業に対する関心が高まっています。これを契機として、幅広い世代への農業教育の充実が求められています。北海道は、まさに食と農の王国です。国内のみならず、インバウンドの観光客の目的は食と観光であり、大規模に展開される農業は美しい景観を作り出しています。本学は、この北海道内で唯一の農業系短期大学であり、農業の担い手、農業系企業への就職、農業を基盤として地域振興に貢献する人材を2年間で育成する高等教育機関として、その存在価値は極めて高いと考えます。

② 本学は、全道一ともいえる地力の高い実験・実習農場(面積4ha)を校舎に隣接して有しています。学生たちは、座学と実習で農業の基礎を実践的に学ぶことができます。また、本学は、気象的にも恵まれた北海道の中央部に位置する深川市において、寒地では栽培が難しいとされていたサツマイモやラッカセイの試作にいち早く取り組み、今では「北海道の新顔野菜」と位置付けられるまでに普及しているように、北海道の農業の発展に貢献しています。

③ 本学は、地方にある小規模短期大学だからこそ可能な徹底した少人数教育によって、学生一人ひとりの特性に合わせた教育を行い、地域社会で活躍できる人間力豊かな人材を2年間で育成しています。

④ 農学ビジネス学科の専任教員は、道総研農業研究本部の研究員、北海道の農業改良普及指導員、道立の農業高校教員などの経歴を有し、多年にわたり農業技術の研究開発、普及指導、農業教育に携わった実務経験者であり、実践的な農業教育を提供しています。また、専任教員の専門分野以外の科目は、道総研の現職及び退職者を非常勤講師として任用し、最新の知見・技術の提供に努めています。また、農業の専門家だけではなく、地域に関する行政や経済、調査法やデータ分析などを専門とする教員が一体となって、「農」、「食」、「地域」に係る教育・研究活動を行うことが本学の学びの特徴になっています.

⑤ 本学は、深川市から地域振興特別奨学生の助成など、大きな支援をいただいています。一方、本学教職員は、深川市等地元自治体が策定する計画等に係る各種委員会や市民団体の活動などに積極的に参画して、本学が持つ知的資産を地域に還元し、地域の発展に貢献すべく努力しています。さらに、昨年度は和寒町、士別市と連携協定を締結するなど、地域貢献する大学としての位置づけを明確にしております。

⑥ 本学は拓殖大学各学部との連携強化を基本戦略として掲げています。拓殖大学への3年次編入のほか、拓殖大学国際学部農業総合コースの3年生を科目等履修生として毎年20名以上受け入れているほか、政経学部の環境研修として農業に関する講義と現地視察を実施、また深川市内中学校における工学部教員による「ものつくり教室」の開催支援など連携を深めています。

 また、昨年度も学生たちは様々な活躍を見せてくれました。記念すべき第40回拓大ミュージカルは、当初はキャストが集まらず開催が危ぶまれましたが、2年生の熱い思いが1年生に届き、79名が集まり多くの深川市民に感動を届けるとともに、拓大ミュージカルのバトンを繋いでくれました。一昨年度同好会として発足したドローンサッカー部は、9月の北海道大会で初優勝し、その後道内で開催された2大会でも連続優勝、また京都で行われた大会にも遠征し好成績をあげ、本学の名を広めてくれました。これ以外にも、学生たちは、それぞれのクラブ活動のほか、学生広報部ぷれたく、ログハウスプロジェクト、ふかがわ街ぶら、北の恵食べマルシェ、道北アークスとのコラボ弁当、ふかがわ氷雪まつりなどなど、地域や企業の皆さまとの交流を通じて、社会人基礎力・人間力を高めてくれたと確信します。本学は、「感動体験こそ教育の原点」であることを教育の基本理念としており、これらは本学ならではの体験であると自負しています。

 深川市民をはじめ地域の皆さま、今後とも本学学生を温かく見守ってください。本学は、本学の魅力と各専任教員の取り組みを積極的に全国発信し、本学の認知度をさらに高めて参ります。皆様から頂いたご理解とご支援に改めて心から感謝申し上げるとともに、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

令和6年4月15日

拓殖大学北海道短期大学
学長 田中 英彦

田中英彦:X(旧Twitter)