海外農業研修に参加している島田君からお便りが届きました。(10月1日)
昨年の3月に本学を卒業し本年3月からアメリカで農業研修中の 島田聖史 君から近況が届きましたので紹介いたします。
島田くんからのお便り
みなさんこんにちは2017年度3月に拓殖短大環境農学コースを卒業した、島田聖史です。私は現在、JATPの海外農業研修派遣事業を通して今年3月末からここアメリカに来ています。渡米後2か月間はアメリカ、ワシントン州モーゼスレイクにて語学・アメリカ農業の基礎学習をへて、各農場に派遣されます。私は現在、同州オーバーン市にある「Mosby brothers Farms」にて働いています。この農場ではリーキ・ビーツを主体として、夏にはズッキーニや秋にはスクワッシュ類やハロウィーン用のパンプキンを栽培しています。さらに特徴的なのは、畑起こしと農薬散布以外のトラクター作業以外は全て手作業!ということです。私は、農場に配属後はフィールドでイリゲーションや移植・除草・収穫の作業をしていました。やはり手作業ということで、特にイリゲーションは大変でした。春から秋の終わりにかけては雨が1か月に1回降るかどうかです。なので、ハンドラインというイリゲーションのパイプを畑の中でつなぎ、数畝毎に3~4日かけて1つの圃場に潅水していきます。多い時では一日に3回も同じ圃場でパイプを移動することもあります。アクシデントが多く、基本的には服が常に濡れている状態で仕事をしています。。。そんなイリゲーションも2週間ほどで部署移動があり、本格的な畑作業に入りました。圃場での仕事仲間は全員メキシカンワーカーで、仕事のスピードはたとえ女性であっても、早く、一回も作業で勝ったことはありません。さらに雑なように見えて、ものすごく丁寧で、「なんで自分には出来ないんだろう」と落ち込む日も多いです。特に顕著に差が現れたのは移植・除草作業です。オーガニック・慣行栽培に関係なく、プランターでの移植作業を行うのですが、作業機の調子が悪く、田植えのように補植を行っていきます。また数センチしかないリークスやビーツの苗を超える雑草が生い茂る中、素早く抜いていきます。どちらも前かがみになって腰を使う作業が多く、心身ともにきつい作業でした。私は現在、ウェアハウス(倉庫)で働いています。ここでは野菜のパッキング・各契約先のストアからのオーダーのピッキング、さらにトラックへの積み込みまでを主に行っています。ウェアハウスで働き始めて、3か月ほどですが、オーダーのピッキングはほとんど一人で行っています。ミスがあれば全て私の責任になってしまうほど任されており、毎日の仕事に充実感を得ながら日々働いています。そこで驚かされたのは品質や規格は日本に比べて、厳しい基準ではないと思うことです。ズッキーニを例にしてあげると、基本的にパッキングした際にズッキーニの重なり具合でFancy,Mediam,Largeの三種類に分かれます。また品質については傷については2~3か所ほどであれば問題なくパッキングします。その他の要素も様々ありますが、比較的、日本よりかは厳しくないのではないかと感じています。更に、ここアメリカでは日本のように市場というものが存在しないため、農場とストア間での直接取引や、消費者へ直接販売するファーマーズマーケットやCSAを通して消費者に農産物を届けています。ワシントン州の首都シアトルが近いこともあり、周辺には20~30のファーマーズマーケットが開催されています。私が住んでいるアーバーにもファーマーズマーケットが開催されています。やはり最初のうちはミスや分からないことも多く、最初のうちはゴミ出しや掃除など、主要な仕事はほどんどすることが出来ませんでした。そんな中でも、出来る仕事を少しでも見つけて、トライ&エラーを続けた結果、今の現状に結び付きました。まだまだこれからがスタートで、これから冬から春にかけて、アメリカの流通システムについて詳しく学習を進めていきます。