幼児教育の方法と技術担当: 山田 英吉・萬 司
開講コース
保育学科 1年次 後期
目的と内容および到達目標
幼稚園教育要領の理解を基盤にして、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の共通点を捉え、それらに準拠した教育や保育の在り方を学ぶ。具体的には、幼児教育に求められる資質・能力を育成するために必要な教育の方法、教育の目的に適した指導技術、情報機器を活用した教材の作成・活用に関する基礎的な能力などを取り扱う。そして、それらを活用し、学習指導案(実習指導案)を作成する基礎的な知識・技能を身に付ける。
到達目標は以下のとおりである。
・教育の方法及び技術、情報機器及び教材の活用に関する基礎的な知識・技能を身に付ける。
・指導理論を踏まえた学習指導案(実習指導案)を作成し、模擬的に実践する。
<SDGs(持続可能な開発目標)との関連>
③保健 ④教育 ⑤ジェンダー ⑥水・衛生
授業計画
[後期]
1.①保育所保育指針等に基づく教育方法の基礎的理論と実践の理解
②環境による保育、環境を通した保育を目指す教育方法、指導計画と環境、子どもの姿
2.①幼稚園教育要領・保育所保育指針、認定こども園教育・保育要領の共通性と固有性
②指導案事例:領域「言葉」のねらいと内容、手遊び・絵本、活動のねらいと評価の観点
3.①幼児期の特性に応じて育む「見方・考え方」の理解
②指導案事例:領域「表現」のねらいと内容、描画活動の動機付け、環境構成と展開方法
4.①環境整備を通した主体的・対話的な遊びや生活を目指す教育方法のあり方への理解
②指導案事例:造形表現活動(領域「表現」)の展開方法、材料の精選と準備
5.①幼児理解に基づく保育を構成する基礎的な要件
②未満児保育の考え方・方法、話法、年齢・月齢による展開方法、職員の協力体制
6.①基礎的な学習指導理論を踏まえた学習指導案の作成Ⅰ
②指導案事例:領域「環境」のねらいと内容、異年齢保育、展開方法、季節・自然・形、指導案
7.①幼児理解に基づく話法・教材提示などの保育の基礎的な技術の習得
②指導案事例:領域「人間関係」のねらいと内容、領域相互の関連、遊びを通した総合的指導案
8.①基礎的な学習指導理論を踏まえた学習指導案の作成Ⅱ
②指導案事例:領域「健康」のねらいと内容、運動遊び活動の展開方法、安全管理と環境構成
9.①幼児理解の基づく情報機器を活用した教材の作成及び提示
②指導案事例:音楽遊び活動(領域「表現」)の展開方法、ねらい、情報機器活用事例
10.①基礎的な学習指導理論を踏まえた学習指導案の作成Ⅲ
②生活の流れの指導案の立案1:登園・集まり・降園・排泄・午睡・食事ほか
11.①情報活用能力を育成するための指導法
②指導案事例:様々な保育の方法(一斉・コーナー・遊び発展型、特色ある事例)、担任業務
12.①幼児理解の基づくカリキュラムマネジメントの実際
②保育指導計画と実習指導案の様式・立案要領、保育活動のPDCA
13.①幼児理解の基づく評価の基本的な考え方
②指導案事例:障害者支援施設のレクリエーション活動の指導案の立案、環境、配慮事項
14.①幼児理解の基づく「幼稚園幼児指導要録」等の作成
②保育実習を想定した設定保育の指導案の立案Ⅰ
15.①学校段階間の接続(幼稚園等と小学校、特別支援学校)について
②保育実習を想定した設定保育の指導案の立案Ⅱ
単位数
2単位、授業回数:15回
講義の進め方
学習指導案(実習指導案)のサンプルや参考資料、Wordによる参考書式などを配付し、実践的な講義内容を優先に進める。
試験と成績評価
実習指導案の記述内容と検討結果(60%)、レポートの内容(30%)、ディスカッション時の交流内容や様子(10%)
担当教員から受講生諸君へ
図書館の書籍や保育系雑誌、WEBの情報や先輩方の実践などを参考に主体的に取り組むこと。また、幼稚園教育要領や保育所保育指針などとその解説の理解が深まるように努力すること。
使用教材
教科書 :保育所保育指針・幼稚園教育要領・幼保連携型認定こども園教育・保育要領、及び各解説2018『部分実習指導案集』萌文書林.
参考書 :講義の中で適宜紹介する。