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植物資源応用実習 | 拓殖大学北海道短期大学

シラバス(講義要項)

植物資源応用実習担当: 田中 英彦(たなか ひでひこ)

開講コース

環境農学 2年次 前・後期

目的と内容および到達目標

植物資源学概論では、生物の進化と栽培化の過程、作物の収量・品質の成り立ち、そして作物の遺伝的変異を拡大し、優良な形質を集積する作物育種の基礎を学んだ。そこで、本実習においては、それらの理解をさらに深めるために、各種の実験、調査、作業を通じて作物の遺伝変異や環境反応を体感できる実習内容を展開する。具体的には、水稲の品種改良に係わる内容を主とするが、水稲以外の作物に加え、雑草や病害虫も対象とする。

到達目標は次のとおりである。
・イネを主にした作物の生理、生態、形態に関する基礎的な知識と観察手法を備えている。
・作物育種の流れと要点を理解している。
・実験計画に従って、個人及びチームで問題解決する基本的な能力を備えている。
<SDGs(持続可能な開発目標)との関連>
  ②飢餓 ④教育 ⑧成長・雇用 ⑨イノベーション ⑫生産・消費 ⑬気候変動 ⑮陸上資源 

授業計画

[前期]
1. 年間実習・実験計画の策定
2. 雑草の発生と対策①
3. 種苗の管理①(水稲播種)
4. 野草の栽培化
5.水稲直播栽培・苗立ち検定
6. 雑草の発生と対策②
7.種苗の管理②(水稲移植)
8.作物の生長と環境(水稲の分げつ)
9. 病害虫の発生と対策①
10. イネ科植物の分類と同定
11.種苗の管理③(優良品種と遺伝資源の保存)
12. 病害虫の発生と対策②
13.イネの幼穂形成と発育予測
14.葯・花粉の観察と障害型冷害
15. 作物の遺伝変異の拡大①(人工交配)

[後期]
1. 種苗の管理④(異形抜き)
2.作物の遺伝変異の拡大②(葯培養)
3.収量の成立過程の解析①(水稲収穫)
4.収量の成立過程の解析②(収量構成要素)
5.収量の成立過程の解析③(水稲脱穀)
6.作物品質の評価(豆腐加工適性)
7.植物の進化(自然交雑の頻度)
8.種苗の管理⑤(基本系統の維持)

単位数

2単位、授業回数:23回 2コマ連続授業

講義の進め方

実習内容の理解を深めるために、プリントを用いて講義を行った後に、各種の作業を行う。多くの場合には、試験処理区を設け、調査して得られた実験結果を取りまとめて考察する。受講者は、毎回の実習内容を日誌に記録し、レポート課題は後日提出する。
なお、作物の生育はその年の気象条件により変動するため、授業計画は適宜変更される場合がある。

試験と成績評価

実習内容の理解度を、実習態度・実習ファイル(50%)、レポート(50%)から評価する。

担当教員から受講生諸君へ

実験器具等の制約から、受講者数の上限は24名とする。
圃場での実習を行うときは作業着を着用すること。作業実習中、メモが取れるよう実習手帳等を携帯し、常に観察記録が取れるよう訓練すること。雨天などで作業が出来ない場合は補講を行うこともある。
各種の実験は実習当日のみでは完結せず、授業時間以外にも観察・調査が必要な場合がある。

使用教材

教科書 :なし。プリントを毎回配布する。
実習ファイル :各自に配布する。所定の場所に保存する。