教育課程総論担当: 横関 理恵(よこぜき りえ)
開講コース
保育学科 2年次 前期
目的と内容および到達目標
本講義では,幼稚園における教育課程編成の意義・目的とその歴史的変遷について学習し,基礎的な知識を身に付けることを目的とする。またその際,平成30年度より実施されている改定幼稚園教育要領において重視されている,カリキュラム・マネジメントの考え方を理解し,PDCAサイクルに基づいた正当な評価を実施できるようにする。さらに,教育課程や各種指導計画の策定・編成の特徴や方法を理解し,実際に作成することで,実践的な技能を身に付けることを目指す。
到達目標は以下のとおりである。
・幼稚園における教育課程編成の意義・目的とその歴史的変遷について理解し,説明することができる。
・カリキュラム・マネジメントの考え方を理解し,PDCAサイクルに基づいた正当な評価を行うことができる。
・園の実情に沿った教育課程や各種指導計画を実際に作成することができる。
<SDGs(持続可能な開発目標)との関連>
④教育
授業計画
[前期]
1.教育・保育課程(カリキュラム)とは何か
2.教育課程・保育課程の意義・目的と構成要素
3.「幼稚園教育要領」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」における教育課程の位置付け
4.「幼稚園教育要領」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」における教育課程の特徴
5.教育課程における理念の歴史的変遷①:戦後~1990年代
6.教育課程における理念の歴史的変遷②:2000年代以降
7.社会に開かれた教育課程の意義:カリキュラム・マネジメントとは何か
8.教育・保育における記録と評価①:「幼稚園教育要領」における記録と評価
9.教育・保育における記録と評価②:組織としての評価,PDCAサイクル
10.教育・保育における記録と評価③:保育者の自己評価・省察
11.実際の教育課程・指導計画・指導要録とそれぞれの特徴
12.各種指導計画作成に向けて:記録の方法,ねらい・環境構成の書き方
13.作業①:週間指導計画を立ててみよう
14.作業②:個別の指導計画(個人カリキュラム)を立ててみよう
15.作業③:指導要録を作ってみよう
単位数
2単位,授業回数:15回
講義の進め方
前半は,講義形式で行う。後半は,個人またはペアごとに指導計画の作成作業と発表を行うことを中心に授業を展開する。
後期に開講される「保育の計画と評価」と内容的に大きく関連するため,必要に応じて連動させながら進行する。
試験と成績評価
定期試験(50%),提出物(作成した指導計画等)(40%),授業への参加状況(意欲・態度)(10%)
担当教員から受講生諸君へ
前半に身に付けた知識をベースに,後半には教育課程やさまざまな形態の保育指導計画を立案する。前半は特に,毎回の授業内容を各自振り返り,理解を深めてほしい。後半の計画立案においては,受講生が1年次教育・保育実習で学んだ「生」の知識を大いに反映させるべく,日誌や指導案の振り返りが事前学習として必要である。
使用教材
教科書 :石井勇雄・横山文樹『新しい幼児教育課程総論』(第二版),中央出版
参考書 :文部科学省,2018,『幼稚園教育要領解説〈平成30年3月〉』
内閣府・文部科学省・厚生労働省,2018,
『幼保連携型認定こども園教育・保育要領〈平成30年3月〉』