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農業基礎科学 | 拓殖大学北海道短期大学

シラバス(講義要項)

農業基礎科学担当: 田中 英彦・古屋 接雄

開講コース

環境農学 1年次 前期

目的と内容および到達目標

実習、演習を含めた環境農学コースの授業を理解するための基礎的スキルを学ぶことが本科目の目的である。
本科目の前半では農業生産に関わりの大きい単位と計算方法について学ぶ。
次に、これまでに勉強してきた生物・化学をベースにして、農業生産に必要な植物の生理生態および作物の特性や光合成・遺伝などの分野について学ぶ。

到達目標は以下のとおりである。
・農業を学ぶ上での生物・化学の基礎的リテラシーを身につける。
・単位の変換、パーセントの計算を活用できる。
・日常生活と関係の深い生物現象を通して、科学技術の進歩と農業生産の発展について理解する。
<SDGs(持続可能な開発目標)との関連>
  ②飢餓 ④教育 ⑧成長・雇用 ⑨イノベーション ⑫生産・消費 ⑬気候変動 ⑮陸上資源 

授業計画

[前期]
1 農業現場で用いる単位、長さ、面積、重さ、体積、時間など単位の基礎と相互変換の考え方
2 単位を用いた計算の方法、パーセントの活用、肥料計算の基礎
3 物質の構成、物質の量と反応  : 身の回りの物質、原子、分子
4 化学と農業          : 化学変化とエネルギー、酸化還元反応とエネルギー
5 人間生活と農業と環境     : 農業・農村の多面的な役割と農耕文化
6 日本農業の特徴        : 農業総産出額と食糧自給率
7 農業と生物          : 農業とは? 生命現象とは?
8 地球環境と生き物の形質    : 進化と生き物の多様性
9 光合成            : 生命の源・光合成、環境条件と光合成
10 生きものの成長        : 細胞との構造、細胞分裂、
11 植物の組織と器官       : 器官と組織系、分裂組織、維管束系の細胞
12 遺伝             : 連続する生命、メンデルの法則、ヒトの形質の遺伝、遺伝子と染色体
13 食物と代謝          : 生物の栄養、同化と異化、食物中の栄養素、食物の消化
14 微生物と農業         : 微生物の発見、微生物の発生、農業と微生物、病気と微生物
15 農業の現状と農業の役割・機能、学習のまとめ

単位数

2単位、授業週数:15回

講義の進め方

プリントをベースに様々な関連資料を活用して講義をすすめる。単調な知識の羅列にならないように食料、環境問題などのトピックスを学んだ内容から解き明かすなど、考える授業としたい。授業中に計算問題を行うので四則計算のできる計算機を持参する。理解度を確認するために小テストを実施する。
農業の基礎知識を身につけるため、毎回、小テスト方式の日本農業技術検定基礎問題に取り組む。

試験と成績評価

毎回の小テスト(50%)と期末試験(50%)によって、到達目標の達成度を判定し成績評価を行う。

担当教員から受講生諸君へ

本科目で学ぶ基礎的内容を身に付けることは、他の講義の理解を深める前提となる。学んだことは使うことに
よって磨きがかけられ、さらに広くて深い学びへのきっかけとなる。単に講義を聞く態度ではなく、自ら考えるという意識をもって受講すること。

使用教材

教科書 :使用しない(プリントおよび関連資料を配付)
参考書 :鈴木正彦「園芸学の基礎」(農文協)