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保育と教育の心理学 | 拓殖大学北海道短期大学

シラバス(講義要項)

保育と教育の心理学担当: *

開講コース

保育学科 1年次 後期

目的と内容および到達目標

保育・幼児教育という営みにとって、子どものこころとからだのあり方、及び成長・発達過程を理解することは必要不可欠な事柄である。また、人間の学習(学び)の内容と機制を理解することも、保育・教育実践を組織する上では重要な課題である。本授業では、教育心理学・発達心理学の知見を軸として、認知科学や学習科学の研究動向を踏まえながら、保育現場における子どものこころとからだの発達の過程と特徴、及び「学び」に関する諸学説について概説する。そして、それらの知見に基づいて、現場で実践されている保育実践事例を読み解くとともに、各月年齢に応じた保育・教育実践を構想する力を獲得することを目的とする。

 到達目標は以下のとおりである。
・乳幼児期の月年齢に応じた子どもの身体的・心理的特性と変化の過程を説明できる。
・発達に関する主要な理論について理解する。
・学習に関する主要な理論について理解する。
・学習・発達理論に基づき、養護と教育の一体性をふまえ、乳幼児期の子どもの主体的な活動としての保育実践を組織する知識と技術を獲得する。
<SDGs(持続可能な開発目標)との関連>
  ③保健

授業計画

[後期]
1.保育と心理学
2.胎児期・新生児期の特徴と発達
3.乳児期前期のこころとからだ
4.乳児期後期のこころとからだ
5.3歳児のこころとからだ
6.4歳児のこころとからだ
7.5歳児のこころとからだ
8.学習の理論①:行動主義・認知的学習理論
9.学習の理論②:状況的学習理論の実践
10.発達の理論①:発達とは何か 環境・遺伝
11.発達の理論②:ピアジェの理論
12.発達の理論③:ヴィゴツキーの発達論
13.学びの意欲と動機付け
14.学びと評価
15.学習環境と保育環境のデザイン

単位数

2単位、授業回数:15回

講義の進め方

講義形式の授業で進める。子どもの育ちの実際の映像に触れながら、子どもの成長発達過程と学習過程を学ぶ授業である。授業終了時にはリフレクションを実施し、振り返りの過程を蓄積して授業内で活用する。

試験と成績評価

小テスト(60%)、レポート(30%)、リアクションペーパー(10%)

担当教員から受講生諸君へ

人間の学習・発達過程ほど複雑で興味深いものはない。こころを形作る諸側面がどのように関連し合いながら発達していくのか、乳幼児期のこころのあり方が、後の成長・発達にどのような意義を持つのか、また学びは成長・発達とどのように関わりあうのか、受講者自身の学びと育ちを振り返りつつ考えてみたい。

使用教材

教科書 :神田英雄『はじめての子育てー育ちのきほん:0歳から6歳』ひとなる書房
参考書 :中澤潤ほか『幼児・児童の発達心理学』ナカニシヤ出版