「第51回農業セミナー」を開催しました(12月6日)
拓殖大学北海道短期大学 第51回農業セミナー
12月6日(水)に本学クリスタルホールで農業セミナーを開催しました。今回のテーマは「地域の活性化は私たちの手で!?~北海道農業の可能性~」です。深川市の指導農業士 渡邊滋典氏をはじめ5名の方々にご講演をいただきました。
本シンポジウムの目的は学生に身近な話題を提供し、将来の地域での活躍や実践力を高め、自ら思い描いた地域活性化や今後の農業経営の方向性を考える情報を提供することです。本農業セミナーは今回で51回を数え、毎回、JA、普及センター、生産者など学外からも多くの方々が参加されます。今年も学生を含めて約200名と多くの参加いただきました。
最初は本学の篠塚学長から、農業セミナーが第51回を迎えることの意義、そしてこれからも本学は地域とともに歩みを進めるとご挨拶をいただきました。
最初に深川市の渡邊滋典指導農業士から「深川市からの挑戦!継ぎたい、未来への北海道農業」と題してご講演をいただきました。深川市に生まれ一度は関西の会社に就職されましたが、疲れたときに見上げた北の空に、故郷と農業を見つけられ農家のDNAが目覚め、その日のうちに深川で就農することを決められたとか。アメリカでの農業研修のつらい話や経験談に続き、実際に就農した中での地域の方々の暖かさ、それは宝の山だったこと。そして人間として「掴む人と逃がす人がいる」ことを学生に投げかけられました。
続いて北竜町の里海乗る指導農業士から「日本農業のトップランナー」と題して講演をいただきました。「北竜町ひまわりライス生産組合」が第46回日本農業賞に輝きました。その、生い立ちから受賞までの足跡を、農薬の節減への苦労・努力、安全・安心確保のための努力、独自の販売システム構築の努力について話されました。その努力の積み重ねがブランド米として地域経済の活性化を推進しています。
ここでお昼、試食の部に入りました。本セミナーでは拓大農場で取れた収穫物満載の昼食会も開催されます。定番の黒米チラシ寿司、フライドポテトなどに本学農産加工室で作られたスイートポテト、ライスプリン、イチゴジャム、シーベリーゼリー、トマトゼリー、シホンケーキ、フィナッシュ、干しいも、レトルト落花生などが加わり、学外の参加者も講師などを交えて談笑しながら午後の部に備えお腹はいっぱいです。
午後の部は「沼田のカラー(色)を活かした農産物加工のブランド化へのこだわり」と題して沼田町の堀直美指導農業士から地域での奨学生を対象にした体験学習や産直グループの活動を通して地域の活性化に努めているお話を伺いました。
午後の二つ目のご講演は「直播から見えるこれからの北空知の水田農業」と題して妹背牛町の佐藤忠美指導農業士からご講演をいただきました。現在は空知管内の水稲直播研究会会長で、水稲の直播栽培を25年間行ってきており、その実践についてお話をお伺いしました。何事も試行錯誤で実践してきたが、結果を分析するためにはデータが必要であること。原因を明確にして改善していくことの大切さを教えていただきました。
最後に秩父別町の楠本典子指導農業士から「わが町から、わたしの挑戦」と題して、就農直後の経営でのご苦労や、農業経営を知ることになった簿記の大切さや、町からキッカケをいただいた中で直売所の開設、食育ソムリエとしての活動、加工野菜の販売などについてご講演をいただきました。
小休止の後、本学農学ビジネス学科長の岡﨑先生の司会でパネルディスカッションを行いました。会場からは質問や意見が多く出ましたが、最後は実践力と地域力を養うこととの言葉でまとめられました。
ご講演いただきました講師の方々に感謝するとともに来場いただきました参加者の方々にもお礼申し上げます。
本学は地域の方々とともに今後も環境に優しい農業を目指し邁進していきます。どうぞさらなるご支援をお願いいたします。