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農業経営概論 | 拓殖大学北海道短期大学

シラバス(講義要項)

農業経営概論担当: 村上 良一(むらかみ りょういち)

開講コース

環境農学 1年次 後期

目的と内容および到達目標

国内外において農業経営は家族経営が今でも主流をなしており、国連でもその意義が再確認されている。同時に企業経営も広がりを見せている。それらと家族経営の違いを意識しながら、共通する経営手法についても解説する。
また地域における営農にとって不可欠な農業関連組織や団体の特徴や役割についても解説する。

到達目標は以下のとおりである。
・持続的な農業経営に不可欠な基礎知識を習得し応用できるようになる。
・地域における農業諸組織、農業団体の特徴と役割を理解できるようになる。
・農業経営の診断手順と、経営の改善方策の考え方を理解できるようになる。
<SDGs(持続可能な開発目標)との関連>
   ②飢餓 ⑧成長・雇用 ⑨イノベーション ⑫生産・消費 ⑮陸上資源

授業計画

[後期]
1.現代の農業経営―北海道農業の現状を中心に
2.家族農業経営と企業的農業経営の特徴と違い
3.世界の家族農業経営の事例紹介
4.農業経営組織と農業生産集団
5.農業法人(農地所有適格法人 株式会社など)
6.農業経営に関わる諸団体(JA・農業委員会・土地改良区など)の特徴と役割
7.農業経営の基礎的概念に関する理解についての解説と意見交換
8.農業のマーケティング(他産業との同一性と違いなど基礎的概念の解説)
9.農業のマーケティング(ブランド化やJAのとりくみなど事例紹介)
10.農業経営診断(損益分析など農業経営診断の進め方に関する解説)
11.前回の講義を受けて具体的な分析事例を紹介
12.農業経営の設計の基本
13.前回の講義を受けて具体的な設計事例を紹介
14.農業経営診断・設計の基本についての総括的な意見交換
15.これからの農業経営の展望について

単位数

2単位、授業回数:15回

講義の進め方

スライドと配布プリントを併用しながら講義形式で進めるが、講義内容について意見や確認的な発問を求めることもある。
また、一部の授業回を遠隔で開講する場合がある。

試験と成績評価

成績評価は定期試験(70%)、レポート(30%)で行う。

担当教員から受講生諸君へ

農産物販売収益を得ること、そのために元手である資本の評価や運用、資金調達などに関する基礎知識を持つことは必須事項である。そのためには、経済・経営の観点(社会科学)が不可欠である。科学という点では、肥培管理等栽培に関する自然科学と共通である。そのことが理解できれば飛躍的に学習成果は伸びるであろう。

使用教材

教科書 :使用しない。
参考書 :大泉一貫他『農業経営概論』(実教出版)、長尾正克『ジャスト・プロポーション―新しい農業経営論の構築に向けて』(筑波書房)、七戸長生『日本農業の経営問題』(北海道大学図書刊行会)、村田武編『新自由主義グローバリズムと家族農業経営』(筑波書房)。