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生物工学概論 | 拓殖大学北海道短期大学

シラバス(講義要項)

生物工学概論担当: 岩間 和人(いわま かずと)

開講コース

環境農学 1年次 後期

目的と内容および到達目標

生物工学技術(バイオテクノロジー)の中で、植物の組織培養技術は農作物の品種開発や種苗生産に広く利用されている。例えば、葯(やく)培養を利用して「ななつぼし」や「ゆめぴりか」などの良食味水稲品種が開発され、茎頂培養を利用してウイルスフリーのバレイショ種イモやイチゴ苗が生産されている。また近年、多くの農作物で遺伝情報(ゲノム)の全塩基配列が明らかになり、トウモロコシ、ダイズ、ナタネ、ワタなどでは除草剤や害虫に抵抗性の外来遺伝子を導入した作物(遺伝子組換え作物)が開発された。主として米国、オーストラリア、ブラジル、中国などの農耕地が大きな国で栽培されて、その生産物は日本にも大量に輸入されている。さらに最近、ゲノム編集と呼ばれる効率的な遺伝子操作技術が開発されて、日本でも水稲の品種開発と一般栽培での利用が検討されている。本講義では、農作物で利用されているバイオテクノロジーの基本技術を出来るだけ平易に説明して、農業生産におけるバイオテクノロジーの役割、農業経営上の位置づけ、ならびに今後の方向性について考える。  
到達目標は以下のとおりである。
・農作物における遺伝の原理と品種開発の方法について説明できる。
・植物の組織培養技術を理解し、農業に役立てるための知識を備えている。
・植物の遺伝子組換え技術を理解し、その可能性と問題点について考察できる。

授業計画

[後期]
1.遺伝の原理
2.染色体の複製と変化 
3.品種と育種(自殖性作物)
4.品種と育種(他殖性作物と栄養繁殖作物)
5.品種と育種(突然変異の利用)
6.植物バイオテクノロジーの概要
7.組織培養技術を利用した種苗生産 (バレイショ)
8.組織培養技術を利用した種苗生産(イチゴ)
9.組織培養技術を利用した育種(胚培養)
10.組織培養技術を利用した育種(倍数性、葯培養)
11.組織培養技術を利用した育種(プロトプラスト、細胞融合)
12.遺伝子組換え技術の原理
13.遺伝子組換え技術の利用
14.遺伝子組換え技術の安全性
15.遺伝子組換え技術の課題

単位数

2単位、授業回数:15回

講義の進め方

授業計画に沿ってプリント(配布資料)を中心に講義する。毎回の講義の最後に10分程度の小テストと最終回に期末テストを行う。小テストではその日の講義のポイントを出題し、次回の講義日に採点して返却する。小テストの問題が最終テストの問題になるので、理解が不十分だったところを復習する必要がある。

試験と成績評価

成績評価は、毎回講義での小テスト(50%)及び期末テスト(50%)で行う。

担当教員から受講生諸君へ

バイオテクノロジーを利用した農作物の開発および種苗生産の方法を理解して、農業者の利益と消費者の安全安心を高めるための基礎知識を得てほしい。

使用教材

毎回の講義では、講義内容のプリントを配付する。
参考書:大澤勝次・久保田旺 編著『農学基礎セミナー 植物バイテクの実際』(農文協)、経塚淳子 監修『徹底図解 遺伝のしくみ』(新星出版社)、工藤光子・中村桂子 著『見てわかるDNAのしくみ』(講談社)、  DVD 『パパ、遺伝子組み換えってなあに?』(アップリンク)。